STANCE
スタンス
販売促進広告は、出会いからはじまります。
ただ、お金を出して広告を打てばいいだけではない。探究心が生み出す生きた広告。
お金のやり取りがある以上、お客さんと業者という立場は、どこまでも変わりません。
クライアントの機嫌を損ねないように、言われたままをカタチにすれば無難に仕事は進みます。そういった仕事を否定するつもりはありません。
企画提案やデザインの仕事をしていると、お客さんと意見が食い違い、ぶつかることがあります。感情的になってしまうこともあります。それは、この仕事に正しい答えがないからです。そしてお互いが、より真剣だからだと思います。
発注する会社または、担当するデザイナーによっても変わってきます。言い換えれば、販売促進は出会いから始まるのかもしれません。精一杯の理解を求め、自分たちの経験の中で最高の作品を作り上げます。
探究心をもって、商品を調べ上げブランドイメージやストーリーを考え提案していく…その中で、私たちは「ものづくり」の気持ちを大切に考えています。
デザイナーはアーティストではなく、独りよがりのアート作品をつくっても、何かが違ってきます。デザインの幅は、見えない物から見える物まで、限りなく広いように思います。
ひとつひとつ、ものを組み立てるようにデザインしていく広告…過去の事例ではなく、その場所に出向き、その場所の空気を感じ、できる限り調べあげ、カタチにしていく。それが、「ものづくり」のデザインです。
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感じた物をカタチにする。
岡山県瀬戸内市牛窓町に前島という島があります。瀬戸内海の多島美が美しく、ゆっくりとした島時間が流れていました。鶏糞を使った肥えた土で丁寧に育てられる前島のカボチャ。納屋にはのんびりと寝ている猫がいました。
そんな前島のカボチャを使いレトルト商品をつくる案件でパッケージデザインを考える際、この空気感をどうにか伝えたいと絵の具を使い、やわらかく、どこか清々しい感じを表現しました。ソフトを使って簡単に表現できる、この時代にアナログでしか出せないものもあります。
一枚の絵では、その場の空気感は、分かりにくいかもしれませんが、何かがきっと伝わることがあると思います。
瀬戸内海の多島美。
丁寧に育てられている前島のカボチャ。
収穫された大量のカボチャ。
ジブリっぽい雰囲気で描いたカボチャ畑の絵
納屋でのんびりと寝ていた猫を描く。
ザラッとした紙で印刷し自然な雰囲気に
仕上げるため紙の紐で結びました。
stance2
じっくり調べて、じっくりと感じる。
販売促進のツールを作る上で大切なことがあります。
それは、じっくりとヒアリングしてじっくりとその商品を調べ上げることです。
意外と自分たちの売りたい商品のいいところを本人たちは知らないって事です。周りを緑で囲まれた環境で暮らしていると、それは当たり前の風景になります。
しかし、その風景をビルが建ち並ぶ雑踏の中で暮らしている人たちが見ると「なんて、のんびりとした素敵なところなんだ」と思ってしまいます。
じっくりと話し込んでいくうちに、見えていないものが見えてきます。
狩猟の現実を感じるために山に入ります。
猟銃の音を間近で聞き、命を感じます。
それが、たった一枚のリーフレットに反映されます。狩猟から食肉加工場の取材まで。
ジビエ肉の命と安全性を表現します。
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ないものは、つくる。
既製品を使うことが、低コストになりクレームにもなりにくいので無難です。しかし、それは少し寂しいことで、その幅でしかものをイメージできなくなります。
私たちは、ないものはゼロからつくります。そしてオンリーワンのイメージ通りのものをご提案します。
それは、木材であったり、紙であったり、電飾であったり様々です。ただ、見た目の問題だけではありません。使い勝手であったり、耐久性であったり。ただのアート作品ではなく、あくまでも業務用の販促物です。
手間を掛けて、つくられたものへの愛着は、日々増していきます。
ウエルカム看板です。
通常カッティングシールなどで貼れば
楽に低価格で仕上がりますが手書きに
こだわりました。このあたりに、おしゃれな照明を付けたい。
そう思った瞬間に使い勝手や耐久性を考え
カタチにしていきます。木は、杉板を使い木のベースは油性の
オイルステンで塗り仕上げました。
チョウを見つけたネコが起きて、「う〜〜ん」とノビを してやる気のない感じで少しだけ追いかけるところです。
ストーリー仕立ての看板ディスプレイです。